戸籍謄本は、郵送で取り寄せることが可能ですが、
どこの役所からでも、
郵送で取り寄せることができるというわけではありません。

なぜなら、郵送で戸籍謄本を取り寄せることのできる役所は、
どこの役所でも良いというわけではなく、
その戸籍の本籍地の役所のみとなっているからです。

つまり、戸籍謄本を郵送で取り寄せるためには、
まず最初に、取りたい戸籍の本籍が正確にわかっていて、
その戸籍の本籍地の役所も、正確にわかっている必要があるのです。

ただ、取りたい戸籍の本籍が正確にわかっていれば、
その戸籍の本籍地の役所も、
ほとんど自動でわかることになります。

たとえば、取りたい戸籍の本籍が、A市B町1丁目1番のような場合、
その戸籍の本籍地の役所としては、
通常、A市役所ということになるからです。

しかし、東京都以外で、大阪市や名古屋市、北九州市や福岡市、
横浜市など、何々区といった区のある市役所の場合には、
その市役所内に、郵送取り寄せ専門の部署が設置されています。

そのため、東京都以外で、何々区のある市役所の場合、
戸籍謄本を郵送で取り寄せたい時には、
その専門の部署宛てに、請求する必要があるのです。

ただ、何々区のある市役所であっても、
郵送取り寄せ専門の部署が、
まだ設置されていない役所もあるため、事前に確認が必要になります。

ちなみに、戸籍謄本の郵送取り寄せ専門の部署の名称としては、
大阪市の場合は、郵送事務処理センター、
名古屋市の場合は、証明書交付センター、
北九州市の場合は、北九州市区政事務センター、
福岡市の場合は、福岡市住民票等郵送請求センター、
横浜市の場合は、横浜市郵送請求事務センターのように様々です。

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また、戸籍謄本を郵送で取り寄せる場合には、
どこの役所に請求する場合であっても、
こちらから送らなければならない必要書類があります。

具体的な必要書類としましては、
① 役所専用の戸籍謄本等の郵送請求書
② 戸籍謄本の発行手数料分の定額小為替
③ 本人確認のための身分証のコピー
④ 請求者の住所宛ての返送用封筒
以上4点の書類を、
取りたい戸籍の本籍地の役所に送る必要があるのです。

つまり、電話などを使って、
戸籍謄本を口頭で請求しても、
役所では対応してもらえないということです。

まず、①役所専用の戸籍謄本等の郵送請求書については、
その役所でのみ取得できる用紙です。

その請求書に、取りたい戸籍の本籍と筆頭者や、
請求者の住所・氏名、取りたい戸籍の種類と通数、
戸籍謄本が必要な理由と提出先などを、記入します。

次に、②戸籍謄本の発行手数料分の定額小為替については、
郵便局で取得できる小切手のようなもので、
郵便局に、手数料を支払って購入することになります。

つまり、郵送で戸籍謄本を取り寄せる場合には、
役所の窓口で、戸籍謄本を取得する場合と違い、送料と、
郵便局で購入する定額小為替の手数料も必要になるということです。

ただ、役所が県外市外などの遠方の場合には、
そのための交通費や、取りに行く時間と労力を考えれば、
郵送で戸籍謄本を取り寄せた方が、効率的と言えます。

また、③本人確認のための身分証のコピーとしては、
運転免許証やパスポート、
マイナンバーカードや健康保険証がありますが、
通常、顔写真付きの身分証のコピー1点が必要です。

もし、顔写真の無い健康保険証などの場合、
その他にも、年金手帳などのコピーも必要となり、
合計2点以上の身分証で本人確認がされることになります。

なお、身分証のコピーを提出する時の注意点としては、
戸籍謄本等の郵送請求書に記入する請求者の住所と、
身分証のコピーの住所と、返送用封筒に記入する住所が、
すべて一致している必要があるということです。

たとえば、戸籍謄本の返送先の住所を、
身分証の住所と違う住所で書いていた場合には、
役所は、その住所宛てに戸籍謄本を返送できなくなります。

また、④請求者の住所宛ての返送用封筒には、
請求者の方で、切手を貼っておく必要があります。

ちなみに、誰かが亡くなり、その相続のために、
亡くなった人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本等を取り寄せるには、
上記4点の必要書類以外にも、
⑤ 亡くなった人と相続関係のわかる戸籍のコピーも必要になります。

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