2024/10/1更新
戸籍謄本取り寄せについて
戸籍謄本の取り寄せとは、一言で言えば、
役所から、戸籍謄本を郵送で取得する作業のことです。
ただ、戸籍謄本を郵送で取り寄せしなくても、
役所の窓口に行って取得すればいいのでは?
と思う人も多いでしょう。
しかし、戸籍謄本は、
住民票のように近くの役所ですぐに取れるものではなく、
戸籍の本籍地の役所でのみ取得できる書面です。
そのため、戸籍の本籍地の役所が、県外など遠方であれば、
交通費をかけて役所の窓口まで行く方法か、
郵送で取り寄せる方法しか、方法がないわけです。
そこで、戸籍の本籍地の役所が、
どこの役所になるのかについてですが、
まず、1つ1つの戸籍には、それぞれ本籍が定められています。
戸籍の本籍とは、○○市○○町1番、といったもので、
一見、住所のように思えるのですが、人の住所とは異なり、
わかりやすく言えば、戸籍の本籍は、戸籍の住所と言えます。
そして、戸籍の本籍がわかれば、
その戸籍を管理している役所が、どこの役所なのかがわかりますので、
その役所でのみ、戸籍謄本を取得できるということです。
もし、その役所が近くでしたら、窓口に行って取得できますが、
窓口に行けないほど遠くの役所の場合には、
郵送で、戸籍謄本の取り寄せをすることになるわけです。
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戸籍謄本とは
戸籍謄本とは、本籍地の役所から、
戸籍を書面の形で発行してもらったもののことです。
戸籍については、昔は、
役所内で、紙ベースで管理されていましたので、
その戸籍をコピーしたものを、戸籍謄本として発行していました。
しかし、現在は、
コンピューターで戸籍を管理している役所がほとんどなので、
戸籍のデータを印刷してもらうことになります。
そして、戸籍のデータを印刷してもらった書面のことを、
戸籍謄本と呼んでいるのです。
戸籍謄本は、相続の手続きや、パスポートの申請、
婚姻の届出の時などに、
添付書類として、提出が必要な書面となっています。
また、戸籍謄本の発行手数料は、全国共通で、
現在では、1通につき450円となっています。
戸籍謄本と戸籍抄本の違い
戸籍謄本とは、戸籍内のデータのすべてが印刷された書面のことで、
戸籍抄本とは、
その戸籍内のデータの一部のみを印刷した書面のことです。
それぞれの読み方は、戸籍謄本は、『こせきとうほん』で、
戸籍抄本は、『こせきしょうほん』です。
そして、相続の手続きや、遺言書の検認、
婚姻の届出などをする時には、
普通は、戸籍抄本ではなく、戸籍謄本を提出しなければなりません。
他に、パスポートの申請や、婚姻の届出時には、
戸籍抄本でも良いとする場合もあります。
つまり、戸籍謄本を取得していれば、
どの手続きでも問題無いのですが、
戸籍抄本では、受け付けてもらえない場合があるということです。
そういった理由もあり、戸籍の提出が必要な場合には、
戸籍抄本ではなく、
戸籍謄本を取得しておいた方が安心ということになります。
なお、戸籍謄本も戸籍抄本も、
その戸籍の本籍地の役所でのみ取得できるものですので、
本籍地の役所に行けない場合には、郵送で取り寄せすることになります。
戸籍謄本の取り寄せ先
戸籍謄本を郵送で取り寄せるためには、
まず、取得したい戸籍の本籍を調べるのが先です。
なぜなら、戸籍の本籍がわからなければ、
調べたい人の住所がわからないと同じで、
どの戸籍を取得したいのかがわからないからです。
たとえ、この人の戸籍を取得したいと役所の窓口で言っても、
戸籍謄本を取得するためには、
その戸籍の本籍と筆頭者を正確に役所側に伝えなければ、
役所の担当者も、戸籍謄本を発行してはいけないことになっています。
たとえば、戸籍の本籍が、A市B町○○番の場合には、
普通は、A市役所がその戸籍を管理していますので、
A市役所が、その戸籍謄本の取り寄せ先となります。
ただし、区のある市役所については、
各区役所が担当している場合もあれば、
すべての区を一括して担当している専門の部署がある場合もあります。
もし、すべての区の戸籍の郵送請求を、
一括して担当している専門の部署がある場合には、
各区役所に、戸籍謄本の取り寄せ申請をしても、
対応してもらえませんので注意が必要です。
また、戸籍謄本を窓口で取得する時も、郵送で取り寄せする時も、
戸籍謄本の請求用紙(申請書)に、取得したい戸籍の本籍と筆頭者や、
申請者の住所氏名などを記入して、役所に提出しなければなりません。
これについては、全国どこの役所も同じなのですが、
戸籍謄本の交付請求用紙(申請書)については、
それぞれの役所の様式がありますので、
まずは、その役所の戸籍謄本請求用紙を取得する必要があります。
戸籍謄本の取り寄せに必要な書類
戸籍謄本の取り寄せに必要な書類としては、
① 戸籍謄本等の交付請求用紙
② 本人確認のための身分証明書のコピー
③ 戸籍発行のための手数料
④ 請求者本人の住所宛ての返送用封筒(切手貼り付け必要)
以上の4点は、最低限必要な書類です。
ただ、もし、相続で戸籍謄本を取り寄せる場合には、
上記4点の他にも、
⑤ 亡くなった人とのつながりを証明できる戸籍のコピー
も必要になります。
また、自分の戸籍や、両親や子供など、
直系以外の戸籍謄本を取り寄せる場合には、
⑥ その戸籍に載っている人の委任状も必要になります。
戸籍謄本の取り寄せ日数
郵送で戸籍謄本を取り寄せする場合には、書類を役所に発送して、
役所に到着し、役所が発行手続きと返送手続きをしてから、
手元に返送されてくるまで、通常、約1週間~10日前後かかります。
ただ、あくまで1回の発送返送の全体の日数ですので、
相続で必要とされる戸籍謄本、除籍謄本、
原戸籍などをすべて取り寄せるには、
何回かの発送返送作業を繰り返すことになります。
つまり、相続で必要な戸籍謄本などをすべて取り寄せるには、
通常、10日前後×戸籍の本籍地の数
という日数がかかることになります。
うまく取り寄せることができれば良いのですが、
相続では、戸籍の内容もすべて読んで確認する作業もありますので、
それらの作業日数も含めると、数か月かかることもあります。
戸籍謄本の取り寄せ手数料
戸籍謄本を郵送で取り寄せる場合でも、
戸籍謄本自体の発行手数料は、1通450円で変わりありませんが、
郵送の場合には、発行手数料に送料が加わります。
送料は、役所に発送する郵送代と、
役所から、自分の住所宛てに返送されてくる送料分です。
普通は、普通郵便を発送返送ともに利用するのですが、
もし、急ぐ場合には、速達郵便を利用することも考えられますので、
その場合、普通郵便の送料+片道280円の送料がかかります。
また、郵送で取り寄せる場合、
戸籍謄本の発行手数料については、現金払いではなく、
原則、郵便局で購入できる定額小為替で支払う流れになっています。
定額小為替とは、ゆうちょ銀行窓口のある郵便局でしたら、
どこの郵便局でも購入できるもので、
見た目は、小切手のようなものです。
戸籍謄本を1通だけ郵送で取り寄せる場合には、
1通450円ですので、450円の定額小為替を1枚購入します。
2通必要なら、450円の定額小為替を2枚といった感じです。
ただ、役所によっては、現金書留の封筒に、
現金を入れて送る方法でも良いとしている役所もあります。
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